「心すなおに」福知山に根付いた弊社

西田工業が発足したのは今から113年前の1909年。私の曽祖父である西田種蔵が創業した会社です。曽祖父は、神戸市北区道場町で土木建設業を営む兄の手伝いをしていましたが、独立心が強く、福知山に飛び出し創業に至りました。創業時は下請けから始まり、実績を重ねる過程で元請けのできる独立志向の会社になりました。土木や建築は当然ながら大勢が関与する一つひとつが大きなプロジェクトです。そこで、お客様をはじめとした関係者との「素直な」対話を通じ、ベストを尽くし技術者たちの「心にすなおに」誠実で着実な施工で信頼を構築する姿勢は社是である「心すなおに」にもそのまま表れています。国鉄の土木営繕・建築営繕の仕事を通じて、福知山に根付いた会社となり、福知山の官庁発注工事には、「西田工業」と頼っていただける企業に成長を遂げたのです。現在では地元企業優先発注が官庁の方針にあるため、福知山は官庁工事、大阪など出先では民間建築を主体に、ルーツの地である神戸三田には営業所を置いてリスクヘッジを行なっています。また、土木の景気が悪いときには建築に、逆に建築が悪いときには土木に力を入れることで、安定性の高い財務体質を実現し、事業発展のバランスをとってまいりました。

4世代目が担う『挑戦と変革』

新しい取組みは「会社に多くの刺激と成長を与えてくれる」と考えます。具体的には西田工業には三つの先進的な取り組みがあり、順にご紹介します。一つはエネルギー系のインフラ事業への参入を目指し、岐阜にございます小水力発電会社への出資と知識面のアップデートのため日々情報交換の機会をいただいております。「小水力発電」とは、一般河川、農業用水、砂防ダム、上下水道などで利用される水のエネルギーを利用し、水車を回す発電方法です。西田工業がこれまでに培ってきた土木事業に加えた新たなチャレンジをと考え、出資することを決めました。二つ目は、グループ会社で太陽光発電施設を保有し、温室効果ガス排出減少を目指したカーボンニュートラルへの挑戦。三つ目はICTなどの取り組みで秀でたものがあり、技術者の多くはドローンの免許を保有しております。113年という長い歴史を持つ西田工業は、「真面目すぎる」との認識やそのように言われることが多々あります。土木・建築・舗装・プラントなど、まちの様々なインフラに関わる事業を担う身として嬉しいお言葉です。しかし真面目すぎるだけでは、これからの時代に発展も生き残りもできないと考えます。これまでの時代を辿ると1909年創業~3代目は攻めて会社を拡張4・5代目は変化の時代を守り抜いてきました。6代目となる私がつくる時代は、『挑戦と変革』がカギになります。強く太い会社になるべく、先ほどの三本柱の一方で大阪・中津ビルの全面リフォームや福知山本社の移転計画など、従業員が働きやすい環境に身を据えられるような取り組みも進めております。理想は広大ですが、一歩一歩着実に積み重ね、社員全員が「楽しんで挑戦できる」会社をつくりたいです。

就活生へ想いを込めて

これまで挑戦や変革について熱く語ってまいりましたが、みなさんは就職活動をする上でどんな価値観を大切にされておりますか?私は、人生はいつも確率論によって成り立っていて、情報は生き物だと考えます。どんなことでも、選択肢は一つより複数ある方が良いですし、情報はどこにあるか思考し予測される場所に足を運ぶ。情報をさぐり自身に落とし込み、どう活かすかを考え行動に移す。これが一貫性をもってできるようになれば、幸せの確度は高まるものだと思います。少し話は変わりますが、私には大学受験を控える娘がおり、先日面接の練習をしました。入室から始まり、真正面で向き合い、真剣に話を聞く。質疑応答が終わった後も部屋を退出するところまで見届けて模擬面接は終了。模擬練習を終えてフィードバックしたのは、「面接官は準備してきた回答より素のあなたを知りたい」というこの1点だけでした。偽りの自分ではなく、ありのままの自分が大事だと思います。裏返すとありのままの自分で働ける環境こそが幸せにつながるのだと思います。私は幼少期から、母によくこの言葉をかけられました。『成せばなる成さねば成らぬ何事も成らぬは人の為さぬなり』現代語に訳すと、『やればできる。何事も、やらなければできない。できないのはやろうとしないからだ』です。この言葉は戦国時代の武将、武田信玄が詠んだ歌を模範にしたと言われます。これから始まる社会人生活において「幸せ」をつかみとるのは、ご自身の努力次第かと思います。西田工業に限らず、どの企業もあなたが持つ魅力を会社に活かすことができるか。その魅力が会社と合うものなのか。その視点で向き合っております。合格・不合格の世界ではないということです。自信を持って前進してください。現状を変えたいと思ったら、願うだけでなく何か変化を起こさなければいけない。それは江戸時代も今この瞬間も、何ら変わりはありません。だから変化を創り出す。小さな変化でも拡散されていく過程で化学反応を起こし現状は変わっていく。すぐに変わらなくても続けれることで必ず人も企業も変わります。これから幕開けするみなさんの社会での人生が、楽しく幸せを感じられますように。そしてもし、その舞台が「安心と安全をすなおな心で提供している会社」西田工業であったら、とても嬉しく思います。

西田工業株式会社
代表取締役社長

 

 

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